合率比例(複比例)について|明治塵劫記を解く

こんにちは!Lanyaです。

 

本日の和算は、「合率比例」です。

現代では、複比例という呼び方ですが、さっそくその意味についてみていきましょう。

 

ふく‐ひれい【複比例】


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明治塵劫記<合率比例>

 

精選版 日本国語大辞典「複比例」の解説より

〘名〙 複比(相乗比)と複比、あるいは複比と単比が等しいという関係。たとえば、ac:bd=e:f が成り立つようなとき、a、b、c、d、e、fは複比例するという。〔数学ニ用ヰル辞ノ英和対訳字書(1889)〕

 

明治塵劫記明治13年

合率比例(複比例)は既知の数5件以上にして、一間の未知数を求むるの題なり。

其法乗数と積数を分別して四所の比例に各数を布き式を設くるものなり。

 

他の定義は、複比例について詳しく書かれた別のサイトがありましたので、そちらを参考にしていただくとして…

 

つまり、複比例とは、「複数の数の中で、それぞれを組み合わせた割合が等しいとき、その数たちは複比例にある」という事だといえそうですね。

 

比例式では、ab : cd = e : f と現わせるそうです。

 

以下では、具体的な問題についてみていきます。

 

いざ、実践!

 

 

(問題)「田地あり、7人にて6日を費やして5段7畝(5.7段)を耕す。今此割合を以て8人10日半にて耕す田地の反別如何」

 

つまり、田んぼを耕すのに、7人で6日かけると5段7畝出来上がるとき、8人で10.5日かけると、どれだけ耕せるか?」という事です。

 

反別については、

・1町=10段=100畝=3000歩

という関係が成り立っています。つまり、歩は30で1畝で、あとは10進法で繰り上がっていく感じですね。

 

回答は次のページで!

 

回答と解説

 

答え 反別1町1反4畝(11.4段)

 

解説

 

本書

術曰、前反別(5段7畝)を置き、後の人数(8人)及び、後の日数(10.5日)を乗し、実とし、前人数(7人)に前日数6日を乗し、これを以て実を除し、後の反別(1町1反4畝)を得る也

 

つまり、当問題においては、

 

 7×6 : 8×10.5 = 5.7 : X

 

という合率比例(複比例)が成り立つという事です。

 

わかりやすく説明すると、

 

「7人で6日間たがやす仕事量は、5.7段に相当するとき(前部)に、8人で10.5日間たがやす仕事量はXに相当する(後部)。」

 

という事ですね。

 

始めに、仕事量は、前部だと42(7×6)、後部だと84(8×10.5)となります。次にこれら仕事量は反別に比例するので、

 

42 : 84 = 5.7 : X

 

という式が成立します。

 

これ等を計算すると

 

5.7 × 84 / 42 = X

 

すなわち

 

X = 11.4 (段)

 

となります。

 

まとめと今日の名言
 
いかがだったでしょうか?
5つ以上の数を使って比例式を解くのは難しいですね💦
 
だけど、こうして一つ一つの要素について考えながら組み立てていくと、実は大切な数式の構成要素だったりするんですよね。
 
今日の名言
→ Connecting the 合率比例  ( by スティーブ・ジョブシタクナイ)
さらば